■設立趣意書

1 趣旨

わが国では、国民の3人に1人は何らかのアレルギーに悩まされていると言われております(厚生労働省「2002年保健福祉動向調査」)。また、文部科学省は、幼稚園、小学生、中学生、高校生のアレルギー体質による気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの割合が10年前の倍以上になってきていると発表しております。わが国においては、喘息は依然としてして3700名を越える喘息死者(「人口動態統計2003年」)を記録し、先進諸国内でも高い死亡率を推移し、アトピーに至っては毎年子どもを道連れにする無残な一家心中や母子心中が後を絶たない状況であります。


設立代表者である笹川満廣(農学博士 京都府立大学名誉教授)さらに須藤千春氏(医学博士 中部大学教授)、渡邊秀夫氏(有限会社日革研究所)を初めとする今回のNPO法人発起メンバーは、室内塵性チリダニ類は近年増加しつつある気管支喘息やアトピー性皮膚炎の主要な起病性因子(アレルゲン)の生産者であり、アレルギー疾患の予防対策の第一歩はダニ対策であることに踏まえて、有効なダニ防除対策確立の研究を長年にわたり幅広く進めてまいりました。


今回のNPO法人設立を通して、人が健康的で快適に暮らせる環境作りを実践し、健康的環境を広く社会に普及することにより、特にわが国の次世代を担う子供たちを初めとする国民の保健及び福祉の増進、まちづくりの推進並びに環境の保全を実現していく所存です。 


活動を推進、拡大し、社会に広く深く貢献していくためには志を同じくする人達が手をとりあい、団体として法人格を取得し、事業活動できることが不可欠となっております。加えて不動産などの資産の保有や種々の契約締結などで法的主体たりうることが活動を継続的に実施するためにも必要不可欠です。また、特にアレルギー有症者や地域のアトピー児などを抱える親たち、教師などの教育指導者に対して特に住環境改善、生活改善を中心とするアレルギー有症者支援、育児健康支援、保健福祉に寄与することを目的とする観点から、特定非営利法人活動法人の設立が必須であると考えております。 

2 申請に至るまでの経過

① これまでは、主に設立発起人を中心に個人単位で上記趣旨の社会活動を国内外の大学や研究機関など各方面で長年にわたり行ってまいりました。

② 今回の設立発起の中心メンバーであります笹川、須藤、渡邊などには個人的には対応できないほどの多くのアトピー有症者やその親御さんたちからの相談が連日きております。その意味で、今回のNPO法人設立は正に一時の猶予もない時代的状況に応えるものであります。



特定非営利活動法人 応用生物科学研究所

                     設立代表者  笹川満廣